絶望はいつもまぶしい/ユッカ
毒づきたくて見あげたはずの
夕焼けが綺麗で
たとえわたしがポエマーでも
言うことなんか何もないくらい
それはあらかじめ完成された一編の詩となって
目の前に広げられていたから
もう死にたくってしょうがないやって
つぶやいてそれきり
まぶしくて何も言えない
仲良くしていた女の子の
わざとらしい手首の包帯
あの痛ましいほどに
あどけない白色
その奥に隠された
ひどく自虐的な美学
あるいは不幸自慢のための
ごくありふれた証拠物件
わたしはそれを軽蔑していた
震えながら落ちていく太陽が
ここら一帯をオレンジの海にして
夢みたいだね
あんまり綺
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