死を装う春の詩/
ただのみきや
ここにはない
何も踊らない
ただ搾り出された絵具のように
眠たげな静物だけ
わたしの中か
わたしの外か
楽しげな人の姿が
ゆっくりと薄れ消えて行く
古いスナップ写真が
毎朝届けられる
吹き消される瞬間の
炎 激しく踊るもの
ない ここにはない
雪どけに浸された
道が川のように
夜まで続く朝
《死を装う春の詩:2014年3月21日》
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