ロケットの中の顕微鏡でも見られない世界を見てみたい/煙と工場
画用紙を一枚買ってきて
その白紙の表面を
ゆるゆると眺めている
というのは
白紙の上には
万有の世界が
広がっているからだ
私の古臭いアパートから
宇宙が点に見えるほどの外部まで
ビールの炭酸が喉を刺激する瞬間から
宇宙など存在しなかった<未来/過去>まで
白紙は覗かせてくれる
脳髄の中で考え
脳髄の外へ発射する
しかし発射されたものは
白紙に到達した瞬間
ミミズにも似た線ばっかりになる
万有の世界はどこへやら
だが私は今日も
万有の世界を
覗きみる為に
画用紙を買うのだ
(ついでにビールも買ってこよう)
では
発射!
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