ミルク色の病院ダンス/ざらざらざら子
 


 ずらりとならんだベッドのむこう、わたしたちの終わりが広がってる
 それは断片といわれれば断片、むぞうさに置かれた花束たち
 大きなほうから順々に消えていくのが理想だと、先生に言ったはずなんだけど



ここからここまでの傾き/一身に浴びるはずだった昼のまどろみ/とどめの演奏で眩暈をおこしたともだちにキスしたら止まらなくて/ピンク色の痣になる/応急手当はすんだから/演奏をつづけて/ともだちとわたしとどちらが先に生まれてどちらがさきに眠るか/どれだけ熱量のある嘘をついたか/これくらいがわたしたちの/最初から匂いたつような夢だったみたい/おやすみそれからさよなら/いつも原因をしらべられてしまうわたしたちだから/もう名前いがいに言うことはなくて/ひび割れるような/がらんどうの音がする



 今日みたいな午後/いっせいに消えたわたしたちの入り口は
 コンクリートでふさいで/メスがはいらないように/すべてかき消して/





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