ミルク色の病院ダンス/ざらざらざら子
 


開け放った窓からカーテンがあふれだしたからオルガンを弾いてともだちと身体を絡ませておどる/まだ子供なのになつかしくなるような錯覚/点滴があと少しでおわるから看護師さんを呼んで/丸い体の看護師さんがいい/ね、おねがい/いつか剥奪されたわたしたちのいちばん憂鬱なぶぶんがほじくり返されるような午後に/腕と腕そして脚と脚それから舌を絡ませておどるわたしたちは泣いてる/どうしてもきれいな光のゆらめきが/生まれたことを祝福するので顔をゆがめた/それはどうってことない不正だったんでしょう先生/わたしたちは次の言い訳をかんがえるから/考えながらおどってるから/メスをいれて/どうぞ/おかまいなく



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