未練/いぬぐす
終ったあとの優しい時間
静かな部屋の窓のそばに立ち
目を輝かせて新芽を食べる小鳥たちを見る
メタリックブルーの空は大陸の気配を感じさせ
風は少し冷たさを残すだけで
食卓には菜の花のお浸しが並んでいる
別離にもさまざまだが
あっけらかんとしていなさいと言われ
なお追ってはならない人の影を探してしまうのは
まだ気があるからではなく未練なのだと知る
忘れることと、思い出さないことが一番よ
試練の時が来た
別れと出会いの季節に散る花は満開になり
メタリックブルーの空へ花びらは舞い上がっていく
お浸しを食べようとすると
マーマレードをつける癖に気づき
未練を思いきり食べた
私の目は新しい終わりの始まりに輝いていた
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