懸賞の発表まで一月/
番田
誰もいない夜明け
失った 言葉を
死ぬのかもなと
本を 電車の中で
光にあてがっていた
今日も 部屋のふとんに入って そして
メトロのキオスクで雑誌を手に
きっと売り子と約束の言葉を交わすことだろう
そして角の猫とのひとときを 遠い暗闇の中で
静かに思い出すことだろう
もう 思うことは
少ない そんな歳
テレビを見ては また
終わる一日 床の上で
新聞をたたんで
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