再会/葉leaf
人の波を組織していく厳密な力学
かつて敵として対峙していた大きな炎
俺はあんたの姿を瞳の中に閉じ込めることができず
あんたは人との軋轢や制度との不適合を介して
俺の冴え渡った体に凍えんばかりの染みを残していった
あんたと俺は挨拶すらしていない
あんたは勝手にやって来て無礼を働き続けた
しかし俺はいつの間にかあんたの素性を知ったのだ
小さな飛躍と小さな転向と小さな成熟でもって
そうだ、あんたは気位が高い
こちらからお伺いを立てねばならぬ相手だった
俺は過去の英知と現在の脳髄を合わせてあんたに正しく挨拶し
今あんたの体の一部になった
ああ、社会
あんたの一部であることは
あんたの血液を受け取りながら
あんたの神経に従い
あんたのまなざしと切り合うことだ
肉親であるあんた、社会
俺の生存は幾多の他者の生存と等しく
俺の抒情もあんたの声に過ぎない
俺の血液でもあり神経でもある社会
俺の道筋を俺と奪い合う社会
死ぬまで憎み合い、愛し合おうじゃないか
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