すみれいろ/
草野春心
机に載っていた、何枚かの
便箋は すみれ色をしていた
グラスに注がれた玉蜀黍茶を空にするまで
夕焼けをわたしは眺めていた……飽きもせずに
複雑そうなものごとが、ほんとうは
するりと呑みこめるほど簡単なのだと
そう信じたかった
わたしの小さな
胸につかえた、幾つもの
言葉もまた、美しい
すみれ色であったなら
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