小詩集【あおい瞳】/千波 一也
陸つづき
六 合い鍵
合い鍵があれば
もう片方をなくしても
大丈夫だから
とびらを開けるための
はたらきは
失われない
から
合い鍵をつくって
たくさん
たくさん
つくって
失うことに
構えることは
おわりにしましょ
大丈夫だから
なんにも失わない
から
七 プレゼント
届くといいね
そのプレゼント
包み方はわるくても
リボンの結びがずれてても
きみにしか贈れない
そのこころが
届くといいね
高価じゃなくても
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