一人芝居(その5)完成版/星☆風馬
 
き散らしながら

運転しているのは知らない異国の男
途中でわたしの着物を剥ぎ取り
殴りつけ、半殺しにして、逃げていった

靴もない、陰毛むき出しの全裸で荒野にうち捨てられ
灼熱の太陽は地面を焼いてしまうほどだった
体はカラカラ
喉もカラカラ
わたしは倒れ、さいごに「みず」と言ったようだった

真っ暗のなかにわたしはいる
真っ暗なのに全部見えてる

行商人がやってきてわたしを見つけたようだった
コインを一枚、ちゃりん
投げていった

ヴェールを被った女がやってきてわたしを見つけたようだった
彼女は、野に咲く花を
そえていった

オレンジの法衣を着た僧がや
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