終わらぬ歌の序章として/千波 一也
流れ星のような、
一瞬にしかわかり合えない
出会いのない命であるので
皆、慎ましくて尊ばれる命であるので
願いよ叶え、と
願い合いたいものです
つかの間の、
行きずりの間柄ならば
ほんの少しだけだとしても
気遣えます
本来、人間はそういうふうにして
ゆずり合って
たより合って
たすけ合って
こうして繁栄を遂げたわけですから
やさしい生き物のはずです
寂しがり屋で
傷みやすい、
なまもののはずです
だから、
流れ星を見つけては
そっと願いを込めるような
奥ゆかしくて
控えめな
一生懸命な命なのだと思います
諦めではないけれど
知ったつも
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