【HHM2参加作品】詩の入り口に立つためにー『母乳』ちんすこうりなー/深水遊脚
 
にするもの、などが考えられる。すべてを拒絶する潔癖な人からユルめの人まで様々だと思う。何を受け入れ、何を拒絶するかは個々の母親が決める。しかし、見知らぬ人というのは、「見知らぬ」というだけで拒絶の対象となる。何が飛び出すかわからないから。

 もうひとつは育児について分かっていない人、専門家でも母親の事情を丸ごと受け止めていない人の決めつけもあるかもしれない。その背景には、世間になんとなく共有されている、根拠のあいまいな精神論もあるだろうと思う。「母親が笑っていれば、赤ちゃんも幸せに笑うものよ。元気出して」たとえばこの励ましにも暴力性は宿る。「母乳が出る出ないは個人差があるものよ。すぐに出ない
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