冷雨/葉leaf
 



求めていた職に就き、初めて出勤する朝、季節外れの冷たい雨が降っていた。雨は気が狂ったようにでたらめに地面を打ち付けているようにも思えたし、そのリズムに一定の規則があるかのように思えた。雨によって空気が冬の日のように冷え、その揺らぎが私の頬を無骨に凍らせた。私はしばらく、揺らぎ続ける冷たさに全身の感覚を与えていると、この冷たさはいつかも味わったことがあると気づいた。

もう4年前だろうか、クリスマス近くに、ある女性と会っていた。彼女と喫茶店で話した後、ともにイルミネーションの点灯の瞬間を見たのだった。私がひそかに思いを寄せていた女性だったが、相手はとっくに私の好意など見抜いていた。立
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