ひとあし おさきに 三部作/るるりら
 
んなのか

ひとさしゆびは ときより こゆびのことをわすれる
なかゆびは ゆくてを いちばんに感じる
くすりゆびは 楽と薬を いったりきたり
こゆぴは きょうもちいさな約束を してきたばかり

おやゆびは 
ずんぐり むっくり
みんなが よりそう
みんなを ささえて

みんなとの間に スペースをつくり
おやおやどうしたのと 笑ってる



『白亜の校舎』

階段をかけ上る
校舎につづく階段を
ふくらはぎと うでで
うでと 重たいカバン

朝の挨拶も連動させて
身体を燃やす 
鼻や耳だけが妙に赤い 
友達の顔

紺色のスカートのプリーツが
ふくらんで とじて
翼のよう

ばすばすばす
足跡は残らない
わたしたちは鳥だから



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