セリヌンティウスの告白/末下りょう
自分より器の小さな人間同様、バカに見えてしまうから。
中2の村田くん。僕たちにはメロスはバカにしか見えないかもしれない。メロスを真の勇者だとおもう人のことも、僕たちにはバカにしか見えないだろう。中2の村田くん。しかし僕は(走れよメロス)という村田くんの中2の中2病的感想や、それを(うまい!)と手放しで喜ぶ大人達がバカにしか見えないバカなのだ。
中2の村田くんの論文上、メロスは太陽の位置を頼りに、時をはかり、歩いて、友の待つ場所に戻った。平均3.9km/hで。圧倒的にバカな器。マラウイの人々は、太陽の位置を頼りに、朝、仕事に出掛けて、家に帰る。平均2.05km/hで。のんびりしていて羨ましいけれど、いまの日本でこんな人がいたら多分のろまなバカに見える。器がちがうから、国の器が。圧倒的に。メロスの中2病の作者の中2病のように圧倒的に器が。だからそんな論文の感想でウィットにとんだつもりの(走れよメロス)発言を、疑い、恥じるバカになれ、中2の村田くん。バカの壁を破るのはいつだって破格のバカだ。器のちがうバカに憧れろ。少女に緋のマントをかけられ、裸の心が赤面してもなお
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