匿名の春に、卒業と 名付けよう。三部作/るるりら
 
 

ねぼけてしまう 春眠を余所に、
君は 祝福されている
必要なことは すべて知っているというような聡明な光を その瞳に宿して
バイクで この町を 一巡しながら きみは きみの心に留めようとしている
おいていけぼり悲しい言い伝えの上にも
雪が降りつもり 水となって大地に沁み渡り

地下では清水が はぐくまれ やがて
腐葉土を押し上げ、
それらは疼き、
君は 滑るように、君は行って仕舞う 蝶のように 行って仕舞う
呼吸の仕方も忘れたような大地が息を吹き返し 君は 行く





【レッスン?はると しゅら】 

はっか あめを
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