キャンディと王様・前章/にゃんしー
 
だよ。地元の。公立の」
「うっわ。だっさ。あそこ、制服かわいくないねんなー」
「しかも女子高だし。おもんなさそう」


 海が笑って、
「でもさ、3人で同じ高校行くんなら、何か楽しいことありそうじゃない?」
 と言うと、乙彼と水樹が声を揃えて、
「まあねー」
 と返した。
「野球も、しちゃったりとか」
 海がいたずらめかしてそう言うと、
「それはないねー」
 と乙彼は返し、しかしきれいなピッチングフォームで、右腕を振りぬいてみせた。
「ストライーク!」
 水樹が、そう言った。


彼女たちが、千船女子高という何処か不思議な高校で、
夏を野球に捧げることになるのは、まだしばらく先の話である。

(「キャンディと王様」第1部へ続く)⇒http://necotoco.com/nyanc/candk/
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