キャンディと王様・前章/にゃんしー
 
ら去って行った。
 しかし、しばらくしても帰ってこず、また壁の向こうから聞こえる音も止むことが無い。
「あいつ、何しとんねん」
 水樹が言い、また立ち上がって部屋を出て行ったが、
 彼女も帰ってこず、隣の部屋から聞こえる話し声と音は、むしろ大きくなった。
 仕方なく、海は、隣の部屋を覗いだ。


 中では、乙彼と水樹と空が、『新世紀エヴァンゲリオン』のアニメを見ていた。
「ちょっ、何してんの」
 海が声を上げると、乙彼は真面目な顔で、
「海もこっち来て座りなよ。すごい面白いよ」
 と言った。
「ちょっとー、受験勉強は……」
 海がそう言うと、水樹が、
「あと1話だけ!
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