キャンディと王様・前章/にゃんしー
 
と、水樹の顔を見てぎょっとする。
「え。何か用ですか?もしかしてナンパ?」
  水樹が、頬をすこし染めてそう言うと、ふたりは手を振って、
「……やっぱいいです」
 と言った。
「やっぱって何や! お前、うちの顔見て言うたやろうがー!」
 その表情を見て、水樹が男性に?みかかる。
 海が慌てて水樹を取り押さえようとする一方、乙彼は大きな笑い声を上げて言った。
「水樹ー!目の周りのマスカラが汗で落ちてデーモン小暮みたいになってるよー!」
 爆笑する乙彼と反論しようとする水樹。海は制止するのに忙しい。


 帰り道の阪急電車の中、混雑を避けるように連結部付近で吊り革を持ち、
 
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