二千十四年三月十一日に/夏美かをる
 
に導いた悪戯な運命か?

いつ突然崩れるとも知らない
うすっぺらな幸せの上に
大切なもの全てを託すしか術はないというのに
私達はどう生きればいいのか?
一体どう?

何一つ答えは見つからないというのに
二千十四年三月十一日という日もまた
つつがなく私の前から流れ去ろうとしている
健やかな寝息を立てる娘の頬をそっとなでながら
あの日からも私が
ただつつがなく生きていることの
免罪符を淡い闇の中に探し求める

そう、無責任で気まぐれな地球という生き物にとってみたら
甚大な試練を与える対象は
彼らであっても 
私と私の家族であっても
何ら違いはなかったのだから

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