二千十四年三月十一日に/夏美かをる
生と死、幸と不幸を分ける境界線の
なんと曖昧なことか
一体彼らが何をしたというのだ?
彼らと私の違いなど何もないではないか
奪われた二万千五百十名もの尊い命
決して癒えきれぬ悲しみを不意に背負わされた遺族達
三年を経て未だ避難生活を続けている二十六万七千もの人々
一体彼らは何を怨めばいいのか?
己の運命か?
黒い悪魔と化した海か?
それとも
突如暴れ出した地球か?
あの日以来
揺さぶられ続けている私達の魂
フッコウというプロパガンダが吹き止まぬ中
学者達が尚も冷静にはじき出したおぞましいデータ
次のミゾウに備えるためのヨチ
ナンカイトラフジシンが起
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