楽園の鳥たち/ホロウ・シカエルボク
かなんて誰にも判りはしない、どんな子供が生まれるのかなんて…時にはすべての実が腐って落ちることもある、辺りには不快な臭いが立ち込める、死や腐敗で溢れているからこそ神経症的にこの世界は美しいのだ、みんな血眼になってそいつを隠すからさ、乾杯しよう、汚染血液の染み込んだドレスデンベッドに、乾杯しよう、錆びた鎖に繋がれた飼犬どもの見るも無残な皮膚病に、乾杯しよう、致命的に不衛生な針の曲がった注射器に、乾杯しよう、歪んだ性格の性器に、乾杯しよう、車道の派手な窪みに、乾杯しよう、闇の底で眠る母親に、乾杯しよう、餌に喰らいついたタクシーに、乾杯しよう、乾杯しよう、この死が生まれる土曜日の午前に、乾杯しよう、乾杯しよう
飲み干したのはお前自身の深層にある体液さ、吐き出したらきっとそこで終わってしまうぜ…
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