楽園の鳥たち/ホロウ・シカエルボク
 
送会社の二トントラックで、六十時間連続勤務の挙句に居眠り運転しちまったそうだ、たまたまそんなことになったんだって、記者会見で配送会社の社長はコメントしたらしい、本当かどうかなんて知ったこっちゃ無い、心にも無い言葉がこの街の連中の大人の証さ、赤ん坊は眠った、母親も眠った、運命を呪いながら―そこから少し離れた通りじゃ数年ごとに誰かが死んでるカーブがある、過去には禁忌が破られていた場所だという噂がある通り…ふざけてアクセルを踏み込む連中が今年あたりまたとんでもない有様になるだろう…子供のころにそのカーブの近くの川で水死体を見たんだ、パンパンに膨らんでいて酷い臭いがした、数日経ってそいつが着ていたシャツを
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