失念れすとらん/ただのみきや
駆け抜ける想念とは裏腹に
書き抜けぬ言の葉裏の蝸牛
雪の積もったノートには
あと数羽カラスの行方が不明です
時の刃の上をゆっくりと滑る私たち
やがて「私」「あなた」という二つの断面へ
あまりにも自然に 寒々しく
互いに冬の窓を挟んで肖像画のよう
今や目に映るものすべては書置きだ
?なんてエニグマティック!?
解読(ゲドク)薬(ヤク) キレ
孤独な誤読(ゴドク)の中毒者(ジャンキー)たち
生き残った生徒には
まだ数羽カラスの落下が不足です
《失念れすとらん:2014年2月14日》
戻る 編 削 Point(17)