道端の風/
クナリ
り返るのは
思ったよりも多くのものが
道端に今も
風の形をしたものが
風の色をしたものが
見えるはずのないものが
見えてはならないはずのものが
道端の風が見える人と
次に出会うのはいつだろう
道端の風をつかまえる人と
道端を歩くのはいつだろう
手に余るものを 大切にしようとして
ぽろぽろ指の隙間から
私もいつしかすり抜けた
こぼれ落ちるものを振り返る
その時初めて さよならが聴こえた
今はまだ
風になれると思うよ。
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