解放の前日/遙洋
 


ぼやけた視界に
おもわず無いめがねを指であげる仕草を
いくども繰り返すのも
ひとつの
刑罰のようだ

熱風と鋭い日射し

首の後ろの筋肉がじわじわと緊張している

またも無いたばこをつかもうとして
小銭を落とした
監視はばか笑いして
穴のあいた硬貨をゆびさした
たぶん
箸がころがってもおかしい年頃なのだ


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