白いけむり/
千波 一也
いけむりは
燃えていたんだろうね
きっと
待っているのかどうかもわからないで
時間も暦も味方にはなってくれないで
それでも
燃えるしかなかったんだろうね
あの三月も
この三月もきっと
白いけむりになっていくものを
その
けむりを立てるものを一心に
信じながら
呼んでいるのだろうね
見え隠れする春に
すべて
まざりあってゆくよりほかにないような
それぞれの
春に
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