かなしみのかたち/
草野春心
栗色のひとみが
風にさらされている
窓のきわ、沈みゆく陽はとおく
きょう、
なにもいえなかった
だからたぶん、あしたも
きみになにもいえない
膝掛けのうえで小さく組まれた
二つの手、その形が、細かに変わっていく
あたたかいスープを作る
カレンダーの数字をつぶす
きみの
かなしみの形を、少しでも
みなれたものに変えることができたら
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