ソクラテスのアイロニー/ハァモニィベル
毎日、何十個もの隕石が地球に向かって降ってくる。1cm足らずの小さな星屑が、地球衝突以前に大気中で燃え尽き、それが恋人たちが見上げる夜空をロマンチックに駆けながら流れ星になる。
そして数年後、結婚し、ベランダでタバコを喫いながら空を見上げ、毎日、何十個も降ってくる女房の小言が、どうかおさまるようにと、密かに願う時もやはり、星は流れるに違いないのだ、涙と共に。
だが絶対に、いっそ楽にしてくれなどと祈らないでほしい。その小さな塊が、わずか直径100mになるだけで、十分すぎるほど願いが叶ってしまうからだ。それも驚異的な破壊力で。
1908年6月30日 朝7時、人類史上最大の隕石衝突
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