降りしきる時の肖像/ハァモニィベル
時が降りしきっていた
黄昏の公園にはベンチが一つあり
そこにずっと座る
一人の老人の頭の上にも
白く降りつもる
飛んできた蛍が、
燃え尽きてその膝で眠ったときにも
ずっと・・・・・・
その胸の蛹から孵った蝶が、
静かに羽を扇ぐいまも
ずっと・・・・・・
PATA―PA―TA―TATA、PATA―TA・・・PA・・
蝶よ
その羽搏きで
たのむから
詩を詠わないでくれ
パタパタと
心に
風を起こさないでくれ
PATA―TTTTTTTTT・・・
PAPAPPPPPP・・・
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