3月3日は家族の日(未完)/れつら
 
ように見ている空を
空を見ているようにビルを。雪吊の屋根を。
きれぎれの前髪から。
やっとこ父を、兄を背丈を抜き、とうに祖父も
だれより高いぢべたから
つまらなそうに箒をかけた昼間のあと
埃が天にかえるような時間に。
せなかは丸まっている。
ずいぶん太ったと笑いながら男どもは
たとえば焼香のじゅんばんがまわって
大きな背を、
小さく小さく丸め。
男どもはその背中をさするように知っている。
骨がすっくと撓っていること。
白い竹。
棒切れを振って歩いた山。




うちのオフィーリアは。
嫁に行ったのだが、愛想はなく。
名古屋で、金屏風の前で。
紅いドレス
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