くものいと/
藤鈴呼
蜘蛛は昔から苦手で 何時も逃げていた
トラウマに なったのは
幼い頃に見た 夢だったのかも知れない
眠る私の視界に映る 天井 部屋の隅
一面に掛かる 大きな住処が
いつまでも いつまでも 忘れられなくて
でも 蜘蛛の巣が絡まり 大騒ぎすることも
机の上の小さな蜘蛛に 叫ぶことも なくなったのは
きっと庭園で 見慣れた所為だと 思う
朝露に光る糸の美しさ
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