かしこ/中山 マキ
どんなに文面を睨んでも
だれの思いも入ってこない
女子高生が好んで使う絵文字の方が
むしろ直観的で
好きなひとをおもむろに抱きしめたくなる
そんな本能を思わせて素敵
若いって特権
嫌いなひとは嫌いなまま
シャープペンの芯が水色、黄色、紫色
滅茶苦茶な日々
楽しいも悔しいもごちゃまぜ
何もないに等しいほど
それが幸せかどうかは別にしても
戻れない思いや手に入らないって言葉は
妙に優雅で
前に前に進んでいるのに
後ろをついつい振り向いてしまう
それを悪い癖と叱らないで
今に始まったことでもない
わらいごとにな
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