わたし/吉原 麻
 
つみあがったCDの山と 自分の足跡を重ねると
なんだかちょっと わたし がわかった気がする

さらなる上を目指してという君を見ていると 心からかわいそうになる
と同時に わたし がわかった気がする

ただそういう わたし がすきでも嫌いでもなく
とりあえず今は目の前にある原稿を書かなくてはならない
オレンジのマニュキアの剥がれかけた爪を見つめながら
ペンを走らせなければならない 紙に

時計が大好きだという君を わたし は だいすきだ
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