権利/葉leaf
が取り返しがつかない。取り返しがつかないほど想像力が働き、取り返しがつかないほど自然と時間はその流れを明らかにする。木の枝が風に吹かれて葉を落とすとき、私はそこに創作の苦しみのようなものを感じ取ったものだった。枝の網の目から落とされるのが文章であるとするならば、木はいっぺんに葉を落として創作の快楽を得ることはできない。葉は一部しか落ちず、残された葉は創作の際の語りえなかった部分のように思えた。またあるとき、上空に飛ぶ飛行機めがけて、私は想像の矢をいくつも放った。もちろん飛行機は撃ち落されなかった。矢は初め何本も発したつもりだったが、私の想像力が追えるのは飛行機へと向かう最後の一本のみであり、残りは
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