二郎ラーメンの列の中で/番田 
 
何もない日に
眠りに落ちる
思い出が何も見あたらないのに
なぜだろう

さすらいのソロキャンパーだった 僕は
昔泳いだことのある 記憶にうかぶ
テトラのつみ重なった 灰色の向こうを見つめていた
きっと 海を見つめていた気がする

賑やかな家族連れの声の中で
耳栓をして
目を閉じて 眠った
散らばる星の下に一つぶの涙をこぼれ落とした

スネ夫みたいな人生を
生きてきた 僕が歩いている気がする
楽をしてきたのさ いつも
次はやられる番なのかもしれないな

吉野家で牛丼を食べ
翌日は松屋で今度はカレーを食べる
通りに出れば また
人の流れに混ざり込む

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