冬季休園/藤鈴呼
 



とのさまバッタ ユビに乗せ
ちょん・ちょこちょんと 鼻歌 打てば
ピョーンと 飛び出す ぴょん吉のよう

*

階段を ポンポンポンと 小気味よく
登る手前で キミにほだされ

*

隙間なく 埋めた指の間 すり抜けた
キミの命と 今日は引き換え

*

コスモスに 止まる蜂キミ 痩せこけて
背景の桃色で誤魔化し

*

秋色の釣瓶落としの其の前に
哂う釣鐘草の如しに

*

まるで小さな鈴を 幾つも繋ぎ合わせたような
濃い桃色の花に見とれて

*

萩の花だと 貴女の言った
鮮やかな蝶が 夏の終わりを彩るような 光景

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