【 箱の中の呟き 】/泡沫恋歌
最初に私たち夫婦を飾って、三人娘や五人の楽士たち、おじさんが二人と段々と並んでいきました。
飾り終わった私たちを見て、女の子の瞳はキラキラ輝いていたわ。この日だけは、どこの家の女の子も『お嬢さま』で、きれいな服を着て誇らし気な笑顔だった。
――だって女の子のお祭りですもの。
近所の女の子たちを集めてミニパーティ! 桃の花を飾り、ちらし寿司や蛤のお吸い物、白酒、菱餅、あられでお祝をしたのよ。
楽しそうな女の子たちの様子ったら――上段から見ていて、こっちまで嬉しくなっちゃうわ。
その場を盛り上げる雰囲気作りに欠かせないのは、もちろん私たちの存在よ!
ああ、もうこんな退屈な箱
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