十四歳 / 同性愛 他/クナリ
<同性愛>
「何で男と寝るの」
「何が悪いんだよ」
「同性愛者なの」
「そんなことはないよ」
「どうして男と寝るの」
「好きな女は手に入らなくて、他のどの女にも、僕を慰めることも、潤すことも、満たすこともできないから、男しか仕方ないじゃないか」
「それで満たされるの」
「無いよりはましだという程度には」
「無意味だわ」
「どこか、気楽なんだよ」
「その好きな女って誰」
「……」
「私、同性愛者でよかった。やっぱり男ってよく分からない」
「……」
「聞いてるの」
「ああ、せいせいするよ、と思っていたんだよ」
「ごめんなさい」
「……」
「泣かないで」
「泣くさ」
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