すべてと擦れ違う/ホロウ・シカエルボク
 

死を浮かべる白昼、路上の血液の跡、くびれた花が乾涸びてる、どこかの店の配電盤の下―有線放送が聞こえてくる、誰も演奏していないリズム、自動販売機ではひっきりなしに、誰かが殴られてるみたいな音を立てて製品が購買される、骨に響く強打の音さ、あれは…そうして喉が渇いている自分に気付く、小銭を数え、そんな現象の一部となる、飲み干した飲料は実によく出来ていた、日々開発されている果汁、内臓を塗り潰すように胃袋に降りてゆく―神様に祈りを捧げる声が聞こえる窓、隣接するコンビニエンスストアではそこで働く母親を呼び出して金をせびっている若い男…近くにはでっかい遊技場があったっけ、母親は周囲の目を気にしている、俺は目
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