鱗のストールを巻いて/唐草フウ
削いでほしいとおもう
まとわりつくものはいつもきれいな花びら
ではなく 鱗のような厄介なものだ
きらきらとしていても からだから離れればいいのにとおもう
あのまま 埠頭へとびこめば
綺麗にこころ 沈められただろうか
そんなことはないだろう
どんな海底にいても滾るものがあるから
わたしの美しさを欠き続けている
意気地が逆にあるのだろうか
しあわせなんて考えたくない
そのことばに食傷している
もったいないと言って食べる消費期限のパンのよう
まずくもないし腐ってもいないのだけど
現実はそんな感じ
きらきらしていがいがした
言葉の端々に飛ぶ 鱗
それがダイレクトに胸を刺す
花びらのように柔らかではない
柔らかな匂いに甘えたい
だけどときどき
そのままでいいなんて 思うのは
まとってでも歩ければいいと 思うのは
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