悔い/草野春心
 


  なにか、やわらかい言葉を
  あなたには いったほうがよかったのだが



  木枯らしが身を刺す日
  かたむいたなんらかの光
  洞のなかの熊に似たあやうさが
  あなたの瞳には 曇りをあたえていたのだが
  どうしようもなかった わたしには



  気のない相づちで
  からっぽなまなざしで
  答えるともなく答えるしか
  どうしようもなかった あのとき
  馬鹿みたいにわらっていたわたしには



戻る   Point(3)