ソルティ・ドッグ/天野茂典
 
  たとえばぼくが作曲するとき
  ピアノの鍵をかき鳴らし
  メロデーをとらずにノイズだけを拾ってゆくとしたら
  ぼくはジョン・ケージのようになれるのだろうか
   
  戦前の詩が歌う詩だとしたら
  戦後の詩は考える詩だといったのは
  鮎川信夫だ
  新しい詩は現代思想のノイズをふくむ
  
  ソシュールもチョムスキーも
  20世紀以後の文学・ゲージツは
  ノイズのバイオだ 歌うのもよし
  考えるのもよし 前線に出る匍匐練習だけはおこたるな


          2005・01・17

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