遠くには行けない/
フユナ
歩いては
遠くには行けない
この足だけで歩いては
毎日 移動している道の
およそ 半分までしか行けない
けれど
とけた雪を踏み崩しながら
足だけを動かし
歌も聞かずにいると
心に留めていた歌や
ずっと持っている声が
うきあがり
歩く私は すっきりと削がれていく
歩いては
遠くには行けない
ただ
私の芯には
確かに近づいていく
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