春の歌/草野春心
 


  かなしい歌をつれて、
  春風がきみの頬をさわるとき
  ひとびとのささやきは町を彩り
  光が、もの静かな雨のように靴に落ちる
  白い花の影がひとつ、心のなかに揺れている
  きみのかなしみをぼくは知れない



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