鴉は生産工程を嗤う/ホロウ・シカエルボク
 
転換した自分の判断に満足しているように見えるものもいる、ネジとして生まれて、ネジとして終わるというのはそういうことだ、と考えているように見える…脳髄の軋むリズムが鼓動とリンクするので、心中に欠陥があるのだと気づいた、スピードを上げるコンベアーは、滑落に向かって一直線に突き進んでいる、思考の入り込む余地のないシステムが行き着く先なんてハナから見えてる、誰だい、俺の脳天にドライバーを差し込んで無理やりネジ穴にはめ込もうとしてるのは?よしてくれよ、ネジ穴が潰れちまう…強引な真似をしたら芯だって曲がりかねないぜー収まるべき穴なんて探してない、落ち着く先なんて必要ないんだ、あてがわれたものに満足なんかしない、老い先が短くなろうが同じことだぜ、必要なことを必要なだけやるのさ、幸せにも満足にも興味はない、俺が欲しいのはただの実感なのさ…。



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