ホールケーキ、2/22のこと/はるな
 
ものを履いていたのだ。それはとても奇妙なことに思える。たばこを吸うことやひとを好きになることやセックスをすることや、歌をうたうことや詩を書くことが、そういうことのすべてが恥ずかしかったころ。いつの間に恥ずかしくなくなったんだろう。笑ったり泣いたりすることが、今よりももっと恥ずかしくて窮屈だったし、できなかった。と、思っていたのに、笑ったり泣いたりばかりしていたと評されるのは不思議なことだ。世界がほんとうにさわれる、やさしいものとしてあることなんて想像もしなかったころ。


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