川柳が好きだから俳句を読んでいる(9、安井浩司のこと)/黒川排除 (oldsoup)
 
ソだ。クソの噴出だ。

 沖めざす花の日蔭に脱糞して
 古春(ふるはる)や死前の飯と死後の糞
 野糞ひらき見れば中に心(しん)の種
 一枡の糞美しき冬の空
 老農ひとり男糞女糞を混ぜる春

 これが言いたかった。だって何の前触れもなくいきなり「安井浩司はクソの俳人だ」と言っても熱心な安井浩司ファンからぶん殴られるだけでしょう。確かに安井浩司はクソだよ、と冒頭に持ってくればインパクトがあったかもしれない、ギョッとする言葉だ、クソなんていうのはね、で安井浩司はそのギョッとする言葉を一番巧みに使う俳人だ。この内一番最初の脱糞は極初期に見られる俳句で、それからは完全に糞が出ている。別に安井
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