川柳が好きだから俳句を読んでいる(9、安井浩司のこと)/黒川排除 (oldsoup)
 
和感があるにも関わらずそれは現実に見えるように塗られているのだ。だからそれは現実でなくて実際だし、実際は受け止めなければならない。実際に再現されていることではない、実際に起こっていることでもない、むしろ実際は起こっていない。拒絶の実体感を受け止めなければしょうがないというのが全体的な安井浩司の俳句の印象である。

 そしてそれは意図的なすり替えでもある。残念ながら安井浩司の各々の句集や全句集は(非常にお高いので)持ってないためネットで探しうるだけの俳句の三、四百を見ているに過ぎないが、しかし固まった場所に「〜せば、みな……」という言い回しが三回もある。もちろん時期的なものと音声的な好みもあるん
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